理想リアリスト

「こんばんは。ジョナサンです」
「銀塊です」
「とりあえずすぐ本題にはいるけど、今の笑いのパターンの一つは、理想的な状況を言ってその後に現実的な発言をすることで、理想の虚しさを暴くというような、まあなんか言葉にしてしまうと上手くいかないけど、そういうパターンがあることは否めない」
「で?」
「まあ先例はあるかもしれないが逆をやってみたい。銀塊君はまず悲しい現実を言ってみてくれ。僕はその後に理想を言ってみるから」
「オーケー。じゃあ、例えば、だな。『世の中は悪人ばかりだな』」
「『悪人だからと言ってみんながみんな悪い人だとは限らない』」
「つっこまないぞ。『このまま行くと温暖化で地球は滅亡する』」
「『いやいや、人類とか生物が滅亡するだけで地球そのものはあと何十億年は大丈夫だよ』」
「『今度のテスト、点数酷すぎた』」
「『人生の点数がよければそれで問題ないさ』」
「『現実的な人間はネガティヴになってしまうから、あまり幸せじゃないよな』」
「『すべての人が幸せを求めてるわけじゃないから』」
「『禅問答って意味不明だよな』」
「『禅問答以上に意味不明なものを作れたら大人気だぜ』」
「『中東が平和にならないのはアメリカのせいだけじゃないよな』」
「『それはそうと昨日のテレビ面白かったよね』」
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「もうちょっとうまくやれたんじゃないか?」
「どうかなあ、まあコンセプトに一貫性がなかったことは認めよう。ちなみに僕はジョナサンです。一つ上は銀塊君です」